お知らせBLOG
2021年4月18日7:55 PM [玉掛け]
目次
建設現場や工場などでクレーンによって大きな荷物を運搬する際に、クレーンのフックに荷を掛け外しする一連の作業を「玉掛け」と呼びます。
玉掛けの作業に資格が必要であるということを知らなかったという方もおられると思いますが、重量物をクレーンで吊り上げる作業は、常に荷物の落下という危険が伴う作業です。そのため、作業を行う場合はクレーンの運転免許を持った者だけでなく、玉掛けの資格を所持している者も必要となります。
玉掛け作業を行う上で重要なことは、吊り上げる荷物の重量や形状に応じた適切な道具を選び、最も適した掛け方によって作業を行うことです。正しい知識を身に付けることが事故のリスクを減らすことにつながります。
・つり具…荷物とフックとを繋ぐものを総称してつり具といいます。代表的なつり具は「ワイヤーロープ」ですが、他にも繊維を使用した「ベルトスリング」や、ロープ部分にチェーンを用いた「チェーンスリング」などがあります。
・連結金具…つり具を引っ掛ける金具の部分を連結金具と呼びます。最も一般的な「フック」のほか、様々な掛け方に対応することができるU字型の「シャックル」、複数のつり具をまとめてかけられるシンプルな「リング」などがあります。
・目掛け…フックに玉掛け用ワイヤロープのアイ(ワイヤロープの端部の輪になった部分)を掛ける方法です。最も標準的で安全な玉掛けの方法です。使用するワイヤロープの数によって1本づり、2本吊り、4本吊りなどがあります。
・半掛け…アイを引っ掛けるのではなく、ワイヤーそのものを引っ掛ける方法です。使用するワイヤロープの数によって2本吊り、4本吊り、6本吊りなどがあります。アイを引っ掛けるのではないので、重心が不安定なものを運ぶ際は適しません。
・あだ巻き掛け…ワイヤロープをフックに一回巻きつけて引っ掛ける方法があだ巻き掛けです。半掛けを一度巻きつけることによって安定性を高めた掛け方ですが、太いロープを巻きつける際はロープに癖がついてしまうので注意が必要です。
・肩掛け…あだ巻き掛けと同じくワイヤーを一回巻きつける方法ですが、巻きつける位置を肩(フックの上部)にすることで、太いワイヤーでも癖がつきにくい掛け方になります。フックの形状によっては掛けることが難しい場合があります。
玉掛けは、作業を行うクレーンの吊り上げ制限荷重が1トン以上である場合と1トン未満である場合で、必要となる講習が異なります。
吊り上げ荷重が1トン以上の場合には「玉掛け技能講習」を受講し、修了試験に合格することで玉掛け技能講習修了証を取得、玉掛け作業者として作業を行えます。
吊り上げ荷重が1トン未満の場合であれば資格を取得する必要はなく「玉掛けの業務に係る特別教育」を受けることで業務を行うことができます。
なお、資格が必要か必要でないかを分けるのは「作業をするクレーンの吊り上げ制限荷重」であり、「吊り上げる荷物の重さ」ではないという点に注意が必要です。
学科…クレーンに関する知識(1時間)
クレーンの玉掛けに必要な力学の知識(3時間)
玉掛けの方法(7時間)
関係法令(1時間)
実技…クレーンの玉掛け(6時間)
クレーンの運転の合図(1時間)
※日本語コースの時間を記載しています※
学科…クレーンに関する知識(1時間)
クレーンの玉掛けに必要な力学の知識(1時間)
玉掛けの方法(2時間)
関係法令(1時間)
実技…クレーンの玉掛け(3時間)
クレーンの運転の合図(1時間)
※日本語コースの時間を記載しています※
現在、関中建設技術センターでは、玉掛け技能講習において、以下の外国語に対応しております。
・ベトナム語
・インドネシア語
・ミャンマー語
・英語
玉掛け技能講習のベトナム語講習においては、随時行っております。平均して月に2回程開催しております。
載っていないものについては、是非ご希望をお知らせ下さい。
「講習科目・料金」ページに詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。
玉掛け技能講習は、学科12時間・実技7時間の計19時間、3日間かけて行われます。
ただし、玉掛けの補助作業に従事していた場合や、特別教育を受講済みの場合には、講習の一部が免除されることがあります。
該当する免除の条件により、19時間、16時間、15時間の3つのコースに分かれます。(講習日数は全て3日間になります)
講習内容の免除に関する詳しい条件については「講習科目・料金」のページをご覧ください
無資格で玉掛け作業を行なった場合は、労働安全衛生法に基づいた罰則が科されます。
無資格で作業を行った者には50万円以下の罰金、そして無資格者に作業を行わせた者や会社に「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されることとなります。
過去には無資格者に玉掛けを行わせた結果、荷物が落下して他の作業者に当たってしまった事例も存在します。正しい知識を持たない者が作業を行えば大事故につながる可能性もあるため、作業にあたる者は必ず資格を取得しておく必要があります。
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