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2021年4月18日7:39 PM [ガス溶接・アーク溶接]
目次
溶接とは、二つの金属を加熱することによって溶かして接合する、金属加工方法の一つです。溶接には大別すると「融接」「圧接」「ろう接」の三つの方法があります。ガス溶接・アーク溶接は「融接」の一種で、溶接の現場において最もよく行われている、代表的な溶接技術です。
この記事ではガス溶接・アーク溶接について、それぞれの原理やメリット・デメリット、必要となる資格についてご紹介します。
ガス溶接は可燃性のガスを燃焼させた火炎を利用して母材の接合、又は溶断をすることをいいます。ガス溶接は、金属を溶かして接合する「溶接」という加工方法のひとつで、アーク溶接と並ぶ代表的な溶接方法です。
LPGやアセチレンといった可燃性ガスと酸素による燃焼熱を利用し、金属の接合・切断を行います。ガス溶接はガスの供給量を調節することで温度調整がしやいため、加熱のやり過ぎによって加工材が割れてしまうことが少なく、薄い金属を加工するのに適しています。ガス溶断は厚い金属を切断するのに適しています。
ただし、加熱に時間がかかるため厚めの金属を加工する際は時間がかかる、ピンポイントでの加熱ができないため不要な部分まで加熱してしまう恐れがあるといったデメリットも存在します。
ガス溶接の作業では、主に、酸素ボンベとアセチレンボンベを使用します。アセチレンガスと酸素ガスを適切な比率で混合する吹管で金属の溶接・溶断作業を行い、溶接作業が終了して消火を行う際、まず吹管の酸素バルブを閉め、その後に吹管のアセチレンバルブを閉めるのが正しい手順です。
このとき、先にアセチレンバルブを閉めてしまうと「逆火」という現象が起きて、爆発など大事故につながる恐れがあります。溶接・溶断の作業にはこのような危険も存在するので、事故を防ぐために正しい知識を身に付けておくことが大切です。
アーク溶接は「アーク放電」と呼ばれる、強い光と高熱を発する放電現象を利用した溶接方法です。最も一般的な溶接方法として、建設物や自動車など様々なものに広く利用されています。
アーク溶接はガス溶接よりも高い温度で加工部を集中的に溶接できます。また使用する溶接器具や道具も比較的安価なので、高い費用をかけずに溶接機具を揃えることができます。
アーク溶接には、大きく分けて消耗式(溶極式)と非消耗式(非溶極式)の二つがあります。
消耗式の溶接方法では、溶接機の金属電極棒が連続的に溶けて溶接金属になります。非消耗式では、タングステンなどを使用した電極棒からアークを発生させ、そのアーク熱によって母材または溶加材を溶かして溶接します。それぞれの溶接方法には以下のものがあります。
・消耗電極式溶接…被覆アーク溶接
ミグ溶接
マグ溶接
エレクトロガスアーク溶接
サブマージアーク溶接
セルフシールドアーク溶接
スタッド溶接
スポット溶接
・非消耗電極式溶接…ティグ溶接
プラズマアーク溶接
ガス溶接やアーク溶接などの溶接作業は、正しい知識を持たない者が行うと危険な事故につながりかねません。そのため、作業に従事する際はそれぞれの講習・教育を受ける必要があります。
ガス溶接の作業を行うには「ガス溶接技能講習」を受講し、修了試験に合格して「ガス溶接技能者」の資格を取得しなければなりません。なお、ガス溶接は作業の指揮・管理を行う際に必要となる「ガス溶接作業主任者」の資格も存在します。
アーク溶接を行う際、その仕事に従事する作業者は安全又は衛生のための教育「アーク溶接等の業務に係る特別教育」を受ける必要があります。こちらは修了試験がないので、受講することでアーク溶接の業務を行うことができます。
学科…ガス溶接等の業務のために使用する設備の構造及び取扱いの方法に関する知識(4時間)
ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素に関する知識(3時間)
関係法令(1時間)
実技…ガス溶接等の業務のために使用する設備の取扱い(5時間)
※日本語コースの時間を記載しています※
学科…アーク溶接等に関する知識(1時間)
アーク溶接装置に関する基礎知識(3時間)
アーク溶接等の作業方法に関する基礎知識(6時間)
関係法令(1時間)
実技…アーク溶接装置の取り扱い及びアーク溶接等の作業の方法(10時間)
※日本語コースの時間を記載しています※
現在、関中建設技術センターでは、ガス溶接技能講習において、以下の外国語に対応しております。
・ベトナム語
アーク溶接については、ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・タイ語・中国語・英語・モンゴル語で行っております。
載っていないものについては、是非ご希望をお知らせ下さい。
「講習科目・料金」ページに詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。
無資格で溶接作業を行なった場合は、労働安全衛生法に基づいた罰則が科されます。無資格で作業を行った者には50万円以下の罰金、そして無資格者に作業を行わせた者や会社に「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されることとなります。
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